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2016.09.24 Saturday

「学ぶ」から「働く・働き続ける」へ 勉強会

 今回の勉強会は、障害のある子を持つ者にとっては大きな関心事である「わが子が働く・働き続けるために必要なことを考えよう」をテーマに学園PTAとの共催にて行いました。
 講師にお招きしたのは、NPO法人くらしえん・しごとえん代表理事の鈴木 修さんです。鈴木さんは、私立高校の教員として20年近く高校教育に関わった後、「ジョブコーチ支援を専門とする法人」として2006年にくらしえん・しごとえんを設立されました。「障害のある人の“働き続ける”を当たり前に」という思いから、豊富な支援実績をもとに就労支援に関する研修・ジョブコーチの養成研修を行い、数多くの「支援者の“支援”」をされています。 

 

 

■「働く」ということ
 「働く」ことは日本国民としての権利であり、義務であるとともに、社会とつながること。
ただし障害を持つ者ができる仕事は限られているのが現実で、「自分ならこの仕事を選ぶのか?」と支援をしながら矛盾を感じることもあるそうです。しかし、どんな仕事であっても「意味のない仕事はない」。それが“仕事”として存在するということは必要があるからで、それは必ず社会とつながっていると話されました。

 

 また、子どもに対し親や支援者が言ってしまいがちな「仕事は楽しい?」という問いかけ。仕事をして賃金をもらうということは大変なことで、本来仕事を頑張ることに意味・価値があるのに、「楽しいか?」という聞き方をすると、その判断基準が「楽しいか・楽しくないか」になってしまうとのお話でした。
 きっと私たちが「仕事は楽しい?」と聞かれたら「仕事なんだから、楽しいことばかりなはずがない」と誰もが思い、それがわかっているからきっと夫や妻にそんな質問はしないでしょう。でも子どもにはつい聞いてしまう。「働く」ということに健常者も障害者もないはずなのに、どこか無意識のうちに線を引いてしまっているのかもしれません。

 

 ある施設の職員が重度の障害を持つ方が仕事をすることに対し「かわいそう」と言ったことがあったそうです。「障害があろうがなかろうが、「働きたい」という思いで、一生懸命に、時には歯を食いしばって頑張っているのに…。「働くこと」と「かわいそう」という言葉がどうしても結びつきません。」と鈴木さんは話されました。
 それをお聞きしたとき、以前聞いた『「どうせムリ」は人間の自信と可能性を奪ってしまう最悪の言葉。やる前に諦め、考えなくなってしまう。ただし、これを唱えるだけで何もしなくて済んでしまうからとても楽になれる言葉でもある。「どうせムリ」ではなく「だったら、こうしてみたら?」という言葉で返しましょう。』(植松電機・植松努氏のTEDプレゼンより)という話を思い出しました。「かわいそう」も、そう思うことで何もしなくてよくなり楽になれる反面、「働きたい」という意思と可能性を奪う。思い込みや過剰すぎる配慮の方が「かわいそう」なのかもしれません。

 

■ジョブコーチとは
 ジョブコーチは、直接職場に出向き、障害のある者が働きやすい環境づくりを支援する「職場適応援助者」。障害者・事業主・家庭の間に入り、スムーズに仕事ができるよう様々な支援を行ってくださいます。しかし、「仕事」と「生活」は密着なつながりがあるため、支援は職場だけではとどまらず、生活全般にかかわってくるとのこと。「障害者と一口に言っても、さまざま。一人一人が抱えている問題に向き合うこと。また彼らを特別扱いせず、当たり前の生活者目線で見守ることがジョブコーチとして重要。」と話されました。


■ジョブコーチ支援の現場から
 実際の職場での支援の様子について、動画を交えながら説明をいただきました。
 A君は、その日いつも使用している台車を普段とは異なる場所へ片付けます。「なぜ?」と尋ねると「今日はお客様が多いから、通るのに邪魔だと思い違うところに片付けた。」との返答。確かに邪魔であるし、一見すると気を利かせたよいと思われる行動です。でも台車をその位置に置くことは職場のルール。そのルールを自分の判断で勝手に変えてはいけない。邪魔だと思ったことを上司に伝え、どこに置いたらよいのか判断を仰ぐ必要があるということをA君に指導します。
 特に子どもたちは学生時代「自らで考え、行動しましょう」と教えられ、そうすることで褒められるという経験があるため、そうやってしまいがちというお話に、学校生活と職場で働くということの違いを教える難しさを感じました。
 また、実習で大切なことは「本人がたくさん困ること、たくさん戸惑うこと」。その時にどうするのか探り、課題に対する対処・対応方法を蓄積していくことが重要と話されました。
 親の立場からすると実習はいわゆる「就職試験」のようなもので、マイナス面を見せると「雇用してもらえないのではないか」、また「雇って“いただく”」という意識がどうしても強くなってしまうので、「実習は課題面を見せる場である」というのは、まったく真逆の視点で驚きました。


■困ることに対処するために
 社会では、次々と「困ること」に直面します。そんな状況に立ち向かうためにどうすればよいのでしょうか。
 鈴木さんは「成功体験の蓄積が後々の“失敗の質”へ大きく影響する。「成功体験=失敗させてはならない」と思いがちだがそうではない。「あの時こうしたからうまくいった」という経験を積むことで困ったときにヘルプを出すことができるようになり、それが困難に立ち向かっていく大事な要素になる。」と話されました。保護者自身「支えられてうまくいく」体験をし、それを実感として持っておくとより良いそうです。
 また「“説得する”のではなく“納得させる”」。確かに納得しないと動けないし、続きません。親はつい頭ごなしに…というパターンになりがちですが、「なぜそうなのか」本人が納得するまで根気よく話をすることが重要とのお話でした。


■「学ぶ」から「働く・働き続ける」ために親のなすべきこととは
 ではわが子が働き続けるために、親としてはどうしていけばよいのでしょうか。
 ・ 「(親だから)できること」「(親だから)できないこと」を明確にする。
 ・ 家庭は「指導の場」でも「注意の場」でもない。ホッとして疲れを癒す場。
 ・ 親自身が支援を「受け入れる」、支援者に「支えてもらう」経験を。

 ・ いつまでも「保護者」ではない。
 ・ 一人で背負い込まず「地域」に託す。
 ・ 託せる地域の一員となる。
 ・ 託せる地域になるよう「支え」のシステム作りが重要

 

 ここまでくる間に私たち親も、わが子が迷惑をかけることで謝ってばかりで味わった孤独、傷ついたり、しんどい思いもたくさん。「でも過去は消せない。イヤな思い、マイナス経験を積み重ねてきた分、今後はプラスの経験を積み重ね、少しでもよい未来を作っていきましょう。」とのお話に元気が出ました。

 

★★★

             
 学園PTAとの共催ということで100名を超える参加者があり、盛況かつ好評のうちに終えることができました。
 鈴木さんのおっしゃる「ジョブコーチがいらなくなる日を」。そのためにも、どの子にも実習時と就労直後には必ず「ジョブコーチ」がつき、親でも学校でもない客観的な立場と視点で企業との橋渡しをしていただけるような仕組みになると、社会(職場の方)の理解も進み、また今まで見聞きしてきた職場との行き違い・トラブルなどがかなり軽減できるように思いました。また「託せる地域の一員となる」…KOYOクラブが「託せる地域」の一つであれるように、「(一員になれる)支えのシステム作り」を考えていきたいと思います。

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